何食べたい?の返し方と男性心理|なんでもいいが嫌われる理由

金曜の夜、駅前の広場。改札を抜ける人の足音が、やけに大きい。

彼に何食べたい?と聞かれて、彼女が返したのは、なんでもいいよ。

そこから五分、彼はスマホを見たまま黙り込んだ。その横顔を見ながら、彼女はずっと指の甘皮をいじってたそうだ。爪のまわり、赤くなって結局その日はコンビニでおにぎりを買って帰った。

恋愛系ショート動画のネタを探しで友人や知人にひたすら聞き取りをするがこの食事の話はよく出る。

「意地悪で言ったんじゃないんだよね。本当に、何でもよかっただけなの」

彼女はそう言った。悪気ゼロ。なのに空気は死んだ。

目次

返し方

なんでもいいが嫌われるのは、手抜きだからじゃない

希望を口に出すって、けっこう怖い行為なんだよ。

焼肉、と言った瞬間、相手の眉がわずかに動く。それだけで胃のあたりがヒヤッとする。食べ物の好みを否定されただけなのに、自分そのものを採点された気になってしまう。

つまり提案する側は、二つのリスクを同時に背負ってる。却下されるリスクと、センスを見られるリスク。

なんでもいい、はこのリスクを相手に丸ごと渡す言葉。手を抜いたから責められるんじゃない。ふたりで決める面倒を、自分だけが背負わされたと感じるから、相手の声のトーンが落ちる。

これショート動画にしたら、コメント欄がざわざわした。責めるつもりで来た人が、途中で自分の話を始めるんだよね。相手を怒らせたくなかっただけ、断られるのが怖かっただけ、って。

聞く側も、答える側も、同じ場所で怖がってた。

何食べたい?と聞く男性の本音は、六つに割れる

意外だったのが、質問した側にも言い分が山ほどあったこと。しかも、口に出せない種類のやつ。

好みを知りたいという、まっすぐな一手

いちばん素直なパターン。相手が何を食べて喜ぶのか知りたいだけ。付き合いが浅いほどこれが多い。

この場合は料理名で答えるのが正解。曖昧に返すと、情報ゼロのまま会話が終わっちゃう。

予算を探りたい、という言い出せない事情

二十七歳の男性から聞いた話が刺さった。

初デートで、相手が焼肉行きたい!と即答。その瞬間、背中にじわっと汗が出たらしい。財布の中身は四千円。頼む、チェーンの店であってくれ…と唱えながら、トイレに行くふりをしてATMを探したって。

奢る前提の空気が乗っかってる場面、まだ普通にある。いくらまで出せるかを直接言えないから、ジャンルで測るしかない。

何食べたい?は好みを聞く言葉に見えて、その裏で値段を測っていることがある。ここを知ってるだけで、返し方が変わるよ。ジャンルより先に、ゆるく価格帯を渡してあげられるから。

外したくない。ただの怖がり

自分で店を決めて、微妙な顔をされるのが怖い。だから先に希望を聞いて、責任を分け合っておきたい。

動機、女性側のなんでもいいと、ほぼ同じなんだよなあ。

主導権を渡して、相性を測っている

わがままを言える相手なのか。自分の希望をちゃんと持ってる人なのか。答え方そのものを見てるパターン。

遠慮しすぎた返しが、ここでは裏目に出る。

決められないだけ

選択肢が多すぎて疲れてる。仕事で一日中決断してきて、もう選びたくない。悪意はない。電池が切れてるだけ。

会話のきっかけが欲しかっただけ

話題として振っただけ。深い意図ゼロ。これを見抜けないと、こっちだけ真剣に悩んで空回りする(笑)

脈ありと脈なしは、聞くタイミングに出る

聞き取りをしてて気づいたのは、質問の中身より、聞くタイミングのほうが正直だってこと。

前日までに聞いてくる人は、予約するつもりでいる。当日に候補を二つ三つ持ってくる人は、外さないように準備してきた人。苦手なものある?とアレルギーまで確認してくる人は、まず本気。

ある女性は、初デートの三日前に、苦手な食材と辛さの限界を聞かれたって言ってた。その質問が来た夜、スマホを握ったまま布団の上で足をバタつかせたらしい。「あ、この人ちゃんとしてる」って。

逆のパターンもある。店の前に着いてから、何食べたい?答えると、んー、どこでもいいよ。

これは考える気がないというより、その日の重さがその程度だったということ。ここで拗ねても何も動かない。軽く提案を出して、相手が乗ってくるか流すかを見たほうが早い。二回もやれば分かる。

返し方は、三つの型に集約できる

覚えるのは型だけでいい。言葉はその場で組み立てられる。

型その一、二択に切る

相手の負担を半分にする型。全部の料理から選ばせず、二つに絞って渡す。

今日は肉か魚、どっちの気分?

がっつりと軽め、どっち寄りがいい?

和食かイタリアン、行けるほうで!

決定権は相手に残る。それでいて選ぶ範囲は狭い。丸投げに見えないのに、押しつけにもならない。使える場面がいちばん広い型だよ。

型その二、料理名じゃなく気分を渡す

食べたい物が浮かばない日ってあるじゃん。そういう時は無理に料理名を絞らなくていい。味の方向だけ言えばいい。

あったかくて汁っぽいものが食べたい気分…

今日はこってり寄り。揚げ物いけるやつ

胃が疲れてるから、優しい味がいいなあ

これだけで相手は探せる。情報ゼロの状態とは、雲泥の差。なんでもいいとの決定的な違いがここ。

型その三、決定権は返す。でも受け皿を置く

相手が選びたそうな時に、無理やり希望を出すと逆に不機嫌になる。そういう相手には決定権を返す。ただし裸で返さない。

その辺、好きなの選んでもらえたら助かる。辛いのだけ苦手だから、そこだけよろしく!

決めてくれたら全部乗るよ。予算だけ、そんなに高くないところで

苦手なものと予算。この二つを添えるだけで、丸投げが信頼に変わる。相手は失敗する確率が下がるから、安心して選べるんだよね。

相手別、そのまま使える言い方

好きな人、まだ距離がある相手

情報は渡す。でも重くしない。相手が予算で困ってる可能性を先に消してあげると、株が上がる。

〇〇さんのよく行くお店に行ってみたい。辛いの以外は全部いけます!

気になってるパスタのお店があるんだけど、どうかな

希望を言いながら、相手の選択も歓迎する。これで却下されるリスクを、相手側から取り除ける。

付き合いたての恋人

好みをすり合わせる時期。ここでの遠慮は、半年後のケンカの種になる。

正直に言うと、今日は焼肉の気分。ダメだったら言って

魚の日と肉の日があってさ。今日は完全に肉

ダメだったら言って、が効く。相手にも拒否権を渡してるから、押しつけにならないでしょ。

長い付き合いと夫婦

毎日聞かれる側は、もう疲弊してる。

結婚三年目の知人が、こぼしてた。夕方に届く、今日なに食べたい?のLINE。優しさだって頭では分かってる。それでも指がスマホの上で止まって、既読だけつけて放置した日があったって。決めるのが嫌なんじゃない。決めて、微妙な顔をされるのが嫌だった、と。

言葉より仕組みで解決したほうが早い。

冷蔵庫にある物で作れるやつ、二つ挙げるから選んで

今週の外食は一回だけ。そこは好きなの選んでいいよ

決める役を曜日で回すのもあり。ただし、決めた人の案を却下しない、という約束をセットにすること。却下されないと分かってるから、決める側の負担がぐっと軽くなる。

上司や仕事関係の相手

好みを主張するより、相手の手間を減らす動きが求められる。〇〇が食べたいです、と言い切るのは避けたほうが無難。かといって、なんでも、も同じくらい避ける。

普段あまり行かないので、おすすめを教えていただけると助かります

苦手なものはないので、〇〇さんの行きつけがあればぜひ

選ばせつつ、選びやすくする。

状況別、言いにくいことを言う技術

本当に何でもいい日

何でもいい、と言いたくなる日はある。それでも、その六文字だけは飲み込む。代わりにこう。

今日は本当に決められないから、決めてくれたら助かる!何でも美味しく食べる自信ある

決めてくれたら助かる、まで言えば丸投げにならない。ありがとうの前借りみたいなものだから。

お金をかけたくない日

言い出しにくい。でも黙って高い店に入るほうが、後で気まずくなる。

今月ちょっとピンチだから、安いところで!ラーメンとか大歓迎

おしゃれな店より、気楽な店のほうが好きなんだよね

金欠を伝えるんじゃなく、安い店が好きだと伝える。これで相手の財布も守れる。

食欲がない日

無理に何かを挙げると、食べきれなくて相手を心配させる。先に言っておくほうがいい。

胃が重くて、あんまり食べられなさそう。うどんとか、軽めのやつでいい?

苦手なものがある時

早めに、軽く出す。深刻に伝えると相手が萎縮しちゃう。

パクチーだけ本当に無理で…!それ以外は何でも幸せ

無理なものを一つだけ挙げて、残りを全肯定する。この形なら、相手は地雷を一つ覚えるだけで済む。

やると空気が重くなる返し

なんでもいい。どこでもいい。決めていいよ。この三つは、情報を渡さないまま責任だけ渡してる。

聞き返しも危ない。何食べたい?に、何が食べたい?で返す。質問が往復するだけで、一歩も前に進まないんだよなあ。

いちばん刺さるのが、相手の提案を連続で却下するやつ。ラーメン?んー。焼肉?重いかな。パスタ?んー…。三回目で相手の声が沈む。却下するなら、代案を必ずセットにすること。

値段を確認せずに高い店を即答するのも、相手を追い込む。今月やばいのに…と心の中で叫んでる可能性、ゼロにはできないからさ。

今日から使える台本

LINEで聞かれた時の三行

一行目で気分。二行目で選択肢。三行目で相手に返す。この順番。

今日はあったかいものが食べたい気分!

うどんか、鍋っぽいやつだと最高かも

このへんで良さそうな店ある?任せた!

三行で終わらせる。長くしない。往復が減るほど、相手の負担は軽くなる。

対面で聞かれた時の十秒

その場で考えると固まる。だから家を出る前に、自分の気分を一つだけ決めておく。肉か魚か。重いか軽いか。それだけでいい。

聞かれたら、こう返す。

今日は軽めがいいかも。魚か、あっさり系なら何でも!

十秒。これで相手は動ける。

相手がなんでもいいと言ってきた時

イラッとする前に、選択肢を狭めて投げ返す。これが最速。

じゃあ肉と魚、どっち?

和食か中華、二択で!

二択なら、相手はほぼ答える。答えたら、ありがとう、それで探す!と受け取る。感謝を返しておくと、次から希望を出しやすくなるんだよね。断られなかった、という経験を積ませるってこと。

食べたい物を言えないのは、わがままを言えないってこと。わがままを言えない関係は、そのうち息が詰まる。

焼肉、と言ってみる。眉が動いたら、笑って別の店にすればいいさ。それだけの話。

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