社内恋愛はやめとけと言われる理由と後悔しない始め方・別れ方

深夜のファミレス、向かいの友人が急に声を落とした。

「社内恋愛はやめとけって、もう三人に言われたんだよね。でも好きになっちゃってるし」

ショート動画の企画会議の帰り。ネタ出しのつもりで振った雑談が、いつのまにか本気の相談に変わってた。

恋愛系のショート動画でコメント欄で荒れるのも伸びるのも、職場ネタ。企画のたびに友人や知人に社内恋愛の話を聞いて回るのはそのせいなんだが、全部にドラマみたいなオチがあるわけじゃないけど、共通点だけははっきりしてた。

目次

やめとけと言われる理由は、全部ひとつにつながっている

別れた翌朝も、同じエレベーターに乗る

友人Bの話。同じ部署で一年半付き合って、別れた次の朝。

「エレベーターの到着音って、あんなに長く聞こえるんだって初めて知った」

隣の元彼は視線を床に落としたまま。上の階に着くまでの十数秒、二人とも息を止めてたらしい。休日にどうにか忘れかけても、月曜が来る。失恋を毎日反芻させられる場所に通い続けるって、罰ゲームに近くない?

やめとけと言う人が一番言いたいのは、たぶんここ。逃げ場がない。

噂は二人の知らない場所で育つ

付き合い始めて二週間で、給湯室に名前が出ていた。まさか自分が最後に知る側になるとは、友人Cも思ってなかったみたい。

なんで知ってるの、と聞き返した瞬間、相手の同僚がニヤッと笑ったのを今でも覚えてるって。噂には嫉妬が乗る。どちらかが人気者だと、なんであの人が、の空気が机の間を流れる。祝福されると信じてた二人ほど、この温度差に足を取られるんだよ。

評価と恋が、同じ人の目で見られる

昇進やアサインが恋と無関係でも、周りは無関係だと思ってくれない。上司と部下の組み合わせなら尚更。部下が評価されるたびに、ひいきじゃないかって声が裏で流れる。

本人たちの仕事ぶりが変わってなくてさ、見る側の目だけが変わる。実力でどうにかできる話じゃないのが、きついなあ。

家に帰っても、会社が追いかけてくる

夜ごはんの会話が今日の部長の機嫌の話しかなくなった、と同棲した友人Dがぼやいてた。

仕事で頼れる先輩の、家でのだらしなさを見て冷めた話も二人から聞いた。付き合わなければ憧れのままでいられたのに。それが本人の口から出た時、聞いてる私の胃がキュッとなった。

相談できる相手が、社内に一人もいない

片思いの時期って誰かに話したくなるじゃん?

ただ、社内の人に相談したら次の週にはフロア全員が知ってた話が、二十人のうち三人(泣)。相談相手は社外だけ。これは理由というより、始める前の条件。

他にも、遊ばれても切りにくい、就業規則で異動になる会社がある、ってのが挙がった。全部を一本の線でつなぐと、失敗した時の逃げ道が普通の恋愛より少ない、に落ち着く。

それでも結婚した人がいる。やめとけの反対側にある事実

続いた二組に共通していたこと

リサーチで会えた社内恋愛経験者のうち、結婚まで行った組が二組。片方は別部署、片方は同じ課。条件は意外とバラバラなのに、やってたことはほぼ一緒だった。

社内では付き合う前と同じ距離のまま。ランチも毎日は一緒じゃない。社内チャットに私語を一行も残さない。愚痴も惚気も社外の友人にだけ。付き合って三か月くらいで、片方の直属の上司にだけ短く伝える。

半年で終わった組はどうだったか。毎日同じ時間に帰る、同僚に惚気る、社内チャットで喧嘩する。結局、差は性格じゃなくて行動の量だったんだよなぁ。

やめとけと言ってくる人の正体

近くで誰かの失敗を見た人。純粋に心配してる上司。ごくたまに、嫉妬。

三種類のどれであっても、言葉の中身は同じで、準備なしでやるなって意味に翻訳できる。やめとけに反論する必要はないし、従う必要もない。準備の話に戻せばいい。

報告は聞かれる前に、片方の上司へ、短く

「お伝えしておきたいことがあって。〇〇さんと交際しています。仕事はこれまで通りでいきます」

これで終わり。理由も馴れ初めもいらない。

聞かれてから答えると隠してたことになるし、二人揃って報告に行くと大ごとに見える。結婚を考えるなら、就業規則の同一部署に関する項目だけ先に読んでおくといい。結婚で片方が異動になる会社もあれば、同じ課で働き続けてる夫婦もいる。どっちが正解かは、その会社の空気次第。

向いているかどうかは、性格より退路で決まる

チェックは三つだけ。

ひとつ目。別れた翌朝、普段通りおはようが言える自分を想像できるか。

ふたつ目。社外に、本音を話せる相手が一人以上いるか。

三つ目。明日どちらかが異動になっても、この人と続けたいと言えるか。関係が職場の便利さに寄りかかっていないか、って話ね。

三つとも即答で頷けたなら、やめとけの声は小さくなる。ひとつでも詰まったなら、答えが出るまで告白を延ばして損はない。

今日からできる、居づらくならないアプローチ台本

シーン1、業務の延長で二人の時間を作る

月曜。相手に仕事の相談をひとつ持ちかける。三分で終わる軽いやつでいい。

水曜。相談の結果を報告して、一言だけ足す。「助かりました。今度お礼にコーヒー奢らせてください」

金曜。オフィスの下のカフェで十五分。ここで仕事以外の話題を一個だけ出す。休日の過ごし方とか、最近ハマってるものとか。

この一週間で相手の反応を見る。そこで終わっても、感じのいい同僚のまま何も失わないっしょ。

シーン2、脈ありは職場ならではの場所に出る

業務連絡の返信に、仕事以外の一文が混ざる。帰り支度のタイミングが合い始める。飲み会で席が近い。あなたのミスを、誰にも聞こえない声量でフォローしてくれる。

全部そろって初めて、くらいの慎重さでちょうどいい。ひとつだけなら、単に優しい人ってだけの可能性も残る。外れる時は外れるし、その時は台本をシーン1に戻す。

シーン3、告白は社外、明くる朝の挨拶までセットで

友人Eの告白は、会社から二駅離れた店だった。

手のひらがじっとり湿って、グラスを持つ手が震えてたって。出た言葉はひとつ。

「仕事とは別で、あなたと二人で会いたい」

これ以上足さない。好きです、で押し切るより、二人で会いたい、のほうが断る側は断りやすい。断られた側も引きずらずに済むし。

断られた場合の朝の台本はこれ。

「昨日はありがとう。仕事は変わらずよろしくね」

視線を合わせて三秒。そこまでできれば噂は広がらないし、相手も安心する。Eはこの一言のために、前の晩トイレの鏡の前で五回練習したらしい(笑)

ここを越えたら、恋じゃなくて加害になる

断られたら一回で引く。二回目はない。

役職や評価を、誘う材料にしない。二人きりの残業や飲み会を頼まない。返事がないのに業務外の連絡を続けない。SNSを深追いしない。

好意って、自分の中ではきれいでも、受け取る側の職場では、かわしようのない圧になる。ここだけはマジで守ってほしい。

別れた後の気まずさは、距離の取り方で決まる

挨拶を変えないだけで、噂は半分消える

友人Bが別れた翌週にやったことは、たったひとつ。昨日までと同じ声でおはようを言う。

初日は少し声が裏返ったって。三日続けたら、周りのざわざわが収まったんだって。人は変化に反応する生き物だから、変化を見せなければ話題にもならない。

業務連絡はいつもの速度で返す。私情で返信を遅らせた瞬間、周りが気づくよ。

やってはいけない三つの行動

共通の同僚に別れた理由を話す。週明けには課の端まで届いてる。

SNSでブロックし合う。相手の同僚がその画面を見てる。

新しい恋人を社内で早く作る。元恋人にも周囲にも当てつけに見えて、自分の評価だけが落ちる。

転職や異動を考えるライン

判断の基準は気まずさの量じゃなくて、体の反応。

通勤の駅で足が止まる日が三か月続いた友人は、異動願いを出した。出した晩から眠れるようになったって。仕事の質が落ちて上司に指摘される。朝の駅で心臓がドクドクして、電車を一本見送る。そんな日が続いたなら、環境を変えるのは逃げじゃなくて修理。

反対に、気まずいだけで仕事は回ってるなら、時間が薄めてくれる。Bは半年くらいで普通に雑談できるようになったって。

これから別れる人へ

別れ話は社外、平日の夜。翌日が普通に出社の日を選ぶ。

朝の挨拶をどうするかを、別れ話の中で先に決めておく。「会社では前と同じでいこう」の一言を、感情が落ち着く前に約束しておく。出社した朝、あの時の一言にだいたい救われる。

社内恋愛がしんどいのは、恋が終わっても関係が終わらないから。だからこそ、始める前に終わりの日の朝まで決めておけば、やめとけの声はもう届かない。

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