好きじゃないのに付き合うのは最低?罪悪感の正体と男女別の本音

金曜の夜、十一時すぎ。 スマホに届いたのは、明日どうする?だった。エアコンの低い唸りが、やけに大きく聞こえる部屋。

嫌いなわけじゃない。優しいし、誕生日も覚えててくれた。熱を出した日、コンビニのゼリーを袋いっぱい抱えて来てくれた人。付き合って三ヶ月。好きって、まだ一度も言えてない。

ショート動画のネタ探しで恋愛の話を聞いて回っていると、この状態の人が驚くほど出てくる。しかも、私、ひどい女ですよね、から入る人の多さよ…。

目次

最低なのは、好きじゃないことじゃない

先に言い切ってしまう。 好きじゃない状態で付き合うこと自体は、悪じゃない。

アウトになるのは別のところ。 気持ちがないと自覚したうえで、それを隠して相手の時間だけ使い続けること。ここだけ。

恋愛が好き同士でスタートしなきゃいけない、なんて決まりはどこにもない。見合いで結婚した祖父母の世代を思い出せば分かる。順番が違うだけで、後から情が育つ関係は普通にある。

ただし育てる気があるかどうか。 そこが空っぽのまま続けると、じわじわ最低の側に寄っていく。

その罪悪感、正体は三つの思い込み

罪悪感が重い人ほど、頭の中で同じ言葉がぐるぐる回ってる。ほどいていくと三つに分かれた。

恋はドキドキから始まる、という刷り込み

ドラマも漫画も、初期衝動の描写ばっかり。目が合った瞬間に心臓が跳ねる、みたいなやつ。 あれが恋の入口だと信じ込んでると、静かに始まった関係を丸ごとニセモノに分類してしまう。

心理学でよく引かれるスタンバーグの愛の三角理論では、愛を三つの要素に分けている。情熱、親密さ、コミットメント。ドキドキは一つ目だけ。残りの二つは、時間をかけないと積み上がらない種類のもの。 今の段階でときめかないのは、一つ目が薄いというだけの話でしょ。

相手の気持ちを、勝手に代弁している

こんなに好きでいてくれるのに、私は返せてない。 そう思ってる時点で、相手の内面を自分が採点してる状態なんだよね。

三十二歳の男性から聞いた話がある。彼が三年付き合った相手は、最後まで好きと言わない人だった。別れ際に打ち明けられたとき、彼が返したのは、知ってたよ、の四文字。 分かってて一緒にいたらしい。それでも三年、楽しかったって笑ってた。 相手はあなたが思ってるほど、無邪気に騙されちゃいない。

断れなかった自分を、まだ許してない

告白された場面を思い出してみて。 相手の目が潤んでて、空気が固まってて、喉の奥が詰まって、うん、と言ってしまった夜。 罪悪感の半分はここに刺さってる。相手じゃなくて、あの瞬間の自分に向いてるやつ。

男性が好きじゃないのに付き合う理由

男性側の本音を集めてみたら、きれいに傾向が出た。多かった順に並べる。

その場の空気を壊せなかった。ぶっちぎりの一位がこれ。 断る言葉を探してるうちに沈黙が伸びて、気まずさが限界を超えて、じゃあ、とりあえず、になる。二十代後半の彼いわく、あの十秒がマジで地獄だったと。手汗で携帯がぬるっと滑ったらしい(笑)

一人の夜がきつい。 仕事で潰れて帰った部屋が真っ暗で、誰も心配してこない。その状態が数ヶ月続くと、誰でもいいから灯りが欲しくなる。

条件で埋め合わせた。 料理がうまい、家が近い、親と合いそう、周りからの評価が上がる。恋愛感情の空白を、条件表で塗りつぶそうとするパターン。

体の関係が先にできてしまった。 順番が逆になった気まずさから、責任っぽいものを感じて交際に流れ込む。

自分を好きでいてくれる人の前だと、自分を嫌いにならずに済む。 これは本人も言いづらいやつ。相手を好きなんじゃなく、相手の中に映った自分を好きになってる状態。

前の恋が抜けてない。 比べる対象がいる限り、目の前の人には本気になれない。本人も薄々気づいてる。

女性が好きじゃないのに付き合う理由

押しに負けた。 何度も誘われて、断る理由をひねり出すのが面倒になって、一回だけ、が続いた。断り続けるコストのほうが高くついた結果。

年齢のカウントダウンが鳴り出した。 友人の式に呼ばれる回数が増えて、親が孫の話を始めたあたりから、急に音量が上がるやつ。この人を逃したら次はない、が判断を握る。

安心感が心地よかった。 ときめきはないけど、隣にいて疲れない。この感覚を恋と呼んでいいのか分からなくて、そこで止まってる人がかなり多い。

一人の週末が怖い。 別れたあとの土曜の昼を想像すると、部屋の広さが急に嫌になる。

好かれている自分が好き。 男性側と同じ構造なんだけど、女性のほうが自覚しやすい印象だった。

聞き集めた範囲で見えた差を一つ。 男性からは付き合ってから情が湧いたという話がわりと出てくる。女性のほうは、最初の違和感が消えないまま積もっていく話が目立った。同棲や結婚が現実になった瞬間、抱えてたものが一気に噴く展開もよく聞く。 違和感を寝かせておける期限は、女性側のほうが短いのかもしれない。

相手のほうが本気じゃないときに出るサイン

自分がどうこうより、あの人こそ気持ちないんじゃない?と疑ってる人へ。気持ちは隠せても、行動には出る。

会うのは平日の夜ばかり。休日の昼が、なぜか埋まってる。 友達にも家族にも紹介されないまま、季節が二回変わった。 写真を撮ろうと言わない。SNSにも一切載らない。 将来の話を振ると、話題がふわっと逸れる。 返信の速さが、日によって別人。 弱ってる姿を見せてこない。相談ごともゼロ。 けんかにならない。意見をぶつけてこないから。

最後のやつが、実は一番わかりやすい。 本気の相手には、人はちゃんと面倒くさくなるんです。ぶつからない関係って、優しいんじゃなくて投資してないだけだったりする。

ここに落ちたら、最低の側

好きじゃないのに付き合うが本当にまずくなるのは、次のどれかに当てはまったとき。

他に本命がいて、繋ぎとして置いてる。 体の関係が目的で、交際という言葉を潤滑油に使うだけ。 一人になりたくない、それだけの理由で相手の時間を数年単位で預かってる。 別れ話が出そうになると、急に優しくなって引き止める。 好きじゃないと分かってて、相手の将来設計に乗ったふりを続ける。

ここに入ったら、罪悪感は正しく働いてる。目を逸らさず動いたほうがいい。

選べる道は三つしかない

迷う時間が長いほど選択肢が増えていく気がするけど、実際は三つだけ。

一つ、育てると決めて続ける。 二つ、期限を切って様子を見る。 三つ、伝えて終わりにする。

一番やっちゃいけないのが、四つ目の何もしない。 これが相手をいちばん削るんだよね。

育てると決めた場合にやること

好きになる努力をしましょう、みたいな抽象論じゃ人は動かない。具体的に三つ。

相手の弱ってるところを見にいく。 情が湧く瞬間って、だいたい相手が完璧じゃない場面なんです。二十七歳の女性から聞いた話がまさにそれだった。彼女は罪悪感で毎晩胃がキリキリしてたのに、半年後に一気にひっくり返る。彼が祖母の介護で憔悴して、駐車場の車の中で肩を落としてた背中を見た瞬間だったって。守りたいと思ったのが最初でした、と静かに言ってた。

二人でしんどい経験を通る。 旅行のトラブル、引っ越し、看病。共同作業の記憶が親密さを積み上げる。

好きじゃないという判定を、いったん保留にする。 判定を下すたび、脳が勝手にその証拠集めを始めてしまう。三ヶ月だけ考えない、と決めるほうがうまく転がる。

終わりにすると決めた場合

伝え方の順番だけ押さえておく。 好きになれなかった、を主語にして話す。相手の欠点を理由に持ち出さない。ここを間違えると、直せば戻れると相手に思わせてしまう。

付き合った期間の長さは関係ない。三ヶ月でも三年でも、遅すぎることはない。遅いのは、ここからさらに一年迷ったときだけ。

付き合ってから本気になった人たちの共通点

流されたまま続いた関係と、後から火がついた関係。何が違ったのか。取材メモを並べ直すと、四つ重なった。

相手が自分の知らない世界を持っていた。 仕事でも趣味でも、こっちが口を出せない領域があった人ほど、途中で見え方が変わってる。

一度ちゃんとぶつかっている。 遠慮したまま進んだカップルは、だいたい静かに終わっていた。

相手が自分以外の人に優しくしてる場面を見た。 店員さんへの態度、友人の子どもと遊んでる姿。第三者越しに見た瞬間に、評価が動く。

期限を自分で決めていた。 半年やってダメなら伝える、と腹を括った人ほど、皮肉なことに続いてる。宙ぶらりんをやめると、目の前の人がちゃんと見えるもんだよ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次