深夜のファミレスで向かいに座った友達のナナが、突然スマホの画面をこっちに向けたまま固まってた。
「ねえ…これ、私のこと本命だと思う?」
画面には彼氏のインスタのタグ付け写真。知らない女の子の肩に、見覚えのある手が回ってる。
恋愛系ショート動画を作る制作チームで企画のネタ出しのたびに友達や知り合いに恋バナを聞いて回るが、二股ネタは本当に再生が伸びるからみんな悩んでるんだよね。
本当に知りたかったこと
本命って答えが欲しい理由
ナナ自身が言ってた。調べてる時点で、もう半分分かってるんだよね。それでも本命って答えが欲しいのは、続けていい許可が欲しいから。逆にキープだったと分かれば、別れる勇気が湧く。どっちにしても自分で決めたくなくて、彼側の答えに人生の決断を預けたくなる。
私と相手の子、どっちが上か
もうひとつ。二股された怒りより、負けたくない気持ちのほうが先に立つ。ナナだけじゃなくて、聞いた子のほぼ全員が同じことを口にした。二股は最低って頭では分かってる。それでも、キープだったら胸が沈む。本命だったらほら、やっぱり私じゃんって安心しちゃうし。ダサいけど、人間ってそういうもんでしょ(笑)
だから判定だけじゃ足りない。判定に加えて、彼がなぜ二股するのかの理由と、別れるか続けるかを何で決めるのか。
どっちも好きは半分本当で半分ウソ
刺激の役と、安心の役
取材で最初にざわっとしたのが、二股してた側の男の話。会社の後輩のケンタ、二十九歳。半年間、二人と付き合ってた。 「どっちも本気だったんすよ。マジで」 その顔に嘘はなかった。ただ、続きを聞くと役割がきれいに分かれてた。一人には仕事の愚痴も親のことも給料の話も全部話せた。もう一人の前ではスーツを新調して、行ったことのない店を予約。ずっと格好つけてた。 それ、好きの種類が違うだけじゃん… 声にはしなかったけど、喉の奥で言葉が引っかかって、コーヒーが変に苦かった。
二股する男が言うどっちも好きは、嘘じゃない。一人には安心を求めて、もう一人には刺激を求めてる。役が違うから、本人の中では両方とも本気に感じる。ここを知らないまま、私とあの子どっちが好きなのって聞いても意味がない。彼は本気でどっちもって答える。聞いた側はもっと混乱するだけ。
本命に回るのは、格好悪い自分を見ても離れなかった子
ケンタに、どっちを本命だと思ってたのか聞いた。返ってきたのは、風邪で三日寝込んだ時に黙っておかゆを置いて帰った方、だった。刺激をくれた子じゃなく、背伸びをやめた瞬間に態度が変わらなかった子。本命の席に座るのは、そういう女の子なんだよなぁ。ただし、選ばれたところで二股された事実は変わらないから、ここで喜ぶのは早い。
二股に走る男の頭の中は、大体三つ
彼らの頭の中は大体三つに絞れた。
まず、自分に自信がない。女の子に好かれること以外で自分の価値を測れないから、二人から好かれてる状態を手放せない。ケンタもそう。仕事で評価されてなかった時期と、二股の時期がぴったり重なってた。
二つ目、悪者になりたくない。片方を振れば自分が傷つける側になる。それが怖くて、どっちにも決めないまま時間を稼ぐ。優柔不断って言えば軽く聞こえるけど、本当は責任からの逃げ。
三つ目が保険。今の彼女より良い人が現れるかもしれないから、切らずに持っておく。このタイプは、本命にすら本気で向き合ってない。
二股しやすい男の、恋愛以外での癖
取材で気になったのは、二股男の癖として挙がったものが、意外と恋愛以外の場面にも出てたこと。予定を直前まで確定させない。写真を撮られるのを嫌がる。スマホを裏返して置く。どれも一個だけなら普通の癖。三つ揃うと、隠す動きが生活の一部になってるってこと。
二股癖は治るのか
正直言って、治った話を聞けたのは数件。その全部に同じ動きがあった。彼が自分から、相手との連絡をこっちの見てる前で切ったこと。言われて切ったんじゃなく、自分で。対して、問い詰められて渋々切った男は、数か月後に別の女の子と繋がってた。治るかどうかは性格じゃなく、発覚した後の動き方で見える。
本命かキープかは、言葉じゃなく彼が払ってるコストで見える
愛してるって言葉は無料。何回でも言える。見るべきは、彼があなたのために削ってる時間とお金、それから見せてる自分の格好悪さ。ここには嘘がつけない。
休日と記念日を誰に使ってるか
土曜の夜と日曜の朝を誰と過ごしてるか。年末年始、誕生日、クリスマス。キープに回ってくるのは平日の夜と、予定が空いた穴埋めの日。ナナは自分の誕生日を彼が忘れてたことを、あの写真を見るまで仕事が忙しいからで流してた。忘れてたんじゃない。まさかの、その日に別の子の予定が入ってただけ。
弱音と生活感を見せてるか
ケンタの話を裏返すと、本命の前で男は格好つけない。寝癖のまま会える?部屋着のまま愚痴を聞いてくれるかどうか。体調を崩した夜、心配のLINEだけで終わらず、ちゃんとポカリを持って来たなら本命寄り。キープの前ではずっとよそ行きの顔。デートの店が毎回おしゃれで、毎回背伸び。それってあなたのためじゃなく、自分の点数稼ぎなんだよ。
将来の話と、周りへの紹介
来年の夏どこ行く、みたいな話が自然に出るか。友達に会わせたか。実家の話をするか。キープには出さない話題がこれ。二人の写真をSNSに出さない理由を恥ずかしいからで説明する男は、見られたら困る相手がいる。
連絡の主導権と、名前
連絡が来るのが彼の都合のいい時間だけで、こっちから送ると既読が遅い。これもコストを払ってない証拠。あと、名前で呼ばれてるか。取材で会った別の子は、付き合って一年間ずっとねえとしか呼ばれてなかったって。名前を呼ばないのは、呼び間違えないため。聞いた瞬間、背中がひやっとした。
九つ数えて、自分の位置を知る
休日、記念日、弱音、生活感、看病、将来の話、紹介、連絡の主導権、名前。九つのうち七つ以上が揃ってるなら、あなたは本命側。四つ以下ならキープ側。真ん中は、彼の中でもまだ決まってない状態。決まってないってことは、この先どっちにも転ぶってこと。
本命側だったとしても
本命だと分かった瞬間、ナナは「よかった…」って泣いた。紙ナプキンがぐしゃぐしゃ(泣)。でもね、本命側だとしても、彼は別の子に格好つける時間を、あなたとの時間から削って作ってた。本命って肩書きは二股の被害を軽くしない。あなたが安心の役だったってことは、ほっといても大丈夫だと思われてたって意味でもある。 そこを飛ばして本命だから許す、に行くと、判断を彼の気持ちに預けたままになる。決めるのはあなたの側の基準で。
別れる?許す?決めるのは本命かどうかじゃなく三つの軸
誠実さは、発覚した後の態度に出る
問い詰めた時の反応で、彼の中身が丸見えになる。逆ギレしてくる男がいる。お前が構ってくれなかったからと、理由をこっちに乗せてくるやつも。泣いて謝るのに相手との関係は切らないパターンもあった。この三つは全部、誠実さゼロ。 逆に、言い訳より先に謝る。聞かれる前に相手との経緯を全部話す。こっちの目の前で連絡先を消す。この動きがあった時だけ、続ける選択肢が机に乗る。
再発リスクは、言葉じゃなく環境で測る
もうしないなんて誰でも言える。見るのは、相手と物理的に切れてるか。同じ職場、同じサークル、同じ地元。接点が残ってるなら再発の土台はそのまま。二股の理由が寂しかったなら、その寂しさを次は誰で埋めるのか。彼自身が答えられないなら、埋める相手が変わるだけ。
あなたの自尊心が削れてないか
一番見落とすのがここ。許した後に、彼のスマホが気になって眠れない。他の女の子の名前が出るたびに胃がきゅっとなる。私が我慢すればって考えが癖になってる。この状態が続くなら、本命でも続ける意味が薄い。恋愛は相手を裁く場じゃなくて、あなたが元気でいられる場所かどうかだからさ。
続けるなら、譲れない条件を先に口に出す
続けると決めたなら、条件を彼の前で言う。相手の連絡先が消えるところを、この目で確認する。次に同じことがあったらその場で終わり、と期限を切る。そのうえで、条件を言った時の彼の顔を見ておく。渋る顔をしたら、その渋りが答え。
許して続けた子の、その後
取材の範囲だと、許して続いた子もいたし、半年もたなかった子もいた。続いた子に揃ってたのは、彼が自分から動いたこと。もたなかった子は、条件を出さずに許してた。許すって決めるのと、条件なしで戻るのは別の話。
別れられないのは、あなたが弱いからじゃない
サキ、三十一歳。二股が分かって許して、四か月後にまた別の子。それでも別れられなくて、「三年付き合ったんだよ、今さら」って何度も言ってた。かけた時間が惜しくて手放せない。これ、弱さじゃなくて誰でもそうなる仕組み。 サキが動けたきっかけは、彼と過ごした三年を、続けた場合の次の三年に置き換えて考えたこと。この先も同じ不安で眠れない三年を選ぶのか。そう考えたら、指がLINEのブロックまで勝手に動いたって。はぁ…って長い息を吐いた後の顔、忘れられないなぁ。
別れると決めたら、説明も説得もいらない
別れる理由を全部説明しようとすると、彼が反論してきて話が戻る。言うのは一言でいい。もう無理、これで終わり。そのあとブロック。説得が始まりそうになったら席を立つ。サキはこれを三回目でやっと守れた。二回目までは、彼の泣き顔を見て座り直しちゃったんだって。
今日からできる動き方を、動画の台本ふうに
うちのチームで台本に起こした流れを、そのまま置いておくね。夜ひとりで、スマホを伏せた状態で始めてほしい。
シーン一、休日と連絡の時間帯を数で書き出す
紙に、直近一か月で彼があなたに使った休日の数と、彼から連絡が来た時間帯を書き出す。感覚じゃなく数で。ここで手が止まるなら、それ自体がコストの答え。
シーン二、彼に聞く前に自分に聞く
本命だったら続けたいのか。キープだったら別れるのか。両方の答えを声に出して言ってみる。口にした瞬間、どっちかに違和感が出る。その違和感がホンネ。
シーン三、対面で、目的を一つに絞って聞く
真実を知りたいのか、別れたいのか、修復したいのか。先に決めてから会う。言うセリフはこれだけ。「私以外に会ってる人がいるよね。隠さないで、今ここで全部教えて」。その後は言い訳を遮らずに黙って聞く。黙ってる間の彼の目線と、スマホをどう扱うかを見る。
シーン四、その場で決めずに一晩置く
返事を聞いた後、その場で決めない。翌朝、鏡の前で自分の顔を見て、この顔で次の三か月も同じ不安を抱えられるかを考える。無理なら別れる。いけるなら条件を出せばいい。決めたことは、信頼できる友達一人に送っておいてね。ひとりで抱えると、判断は必ず彼の側に寄っていくから。

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