また会いたいと思われる人の特徴|2回目のデートに誘われない理由

半年前、ショート動画のネタが枯れた。

恋愛系の企画会議で三時間しゃべって、ホワイトボードに残ったのは使えない案が七つ。ネタ探しに翌週から、聞いて回ることにした。

友人、大学の後輩、撮影で一緒になるヘアメイクさんに同じことをぶつけたんだよね。もう一度会いたいと思った人ってどんな人でした? 逆に、楽しかったのにそれっきりになった相手っています?

想定してた答えは、優しいとか、話が面白いとか、その辺。ぜんぜん違った。

メモを読み返して固まったよ。これ、企画として一本撮れるどころか、俺自身がずっと逆をやってた話じゃんね…。

ほとんど全員が、相手の話をしなかった。自分の話をしたんだ。

あの人といるとき自分がめっちゃ喋ってた、とか。変な趣味の話しても引かれなかった、とか。主語がずっと自分側にある。相手がどういう人だったかは、聞くとふわっとしてる。

ここで全部ひっくり返った。

目次

また会いたいと思われる人は、相手の記憶に残っていない

覚えているのは相手じゃなく、そのとき喋っていた自分

もう一度会いたいという感情、あれは相手への評価じゃないっぽい。

その人といた時間の自分が、わりと好きだったかどうか。それだけ。

後輩のリョウが言ってたことが刺さってさ。二回目を誘った子の話をしてるのに、途中から自分がどんな仕事の愚痴を吐いたか、それをどう聞かれたかの話になってた。相手の顔立ちも服装も出てこない。あれ、この子の話してなくない?って途中で気づいて、聞いてる俺の背中がザワッとした。

魅力を上げようとする方向、たぶん半分外れてる。相手が自分を好きになれる時間を作れたかどうか。そっちが効いてるんだよね。

だから会話の主役を渡すと、勝手に印象が上がる

自分の話が九割の人は、その場では盛り上がる。翌日には消える。

聞き役に回りきる人も、実は残らない。相手は喋りすぎた気まずさだけ抱えて帰るから。

残るのは、相手が喋ってるのを気持ちよくさせた人。この差はでかいよ。

隙を一個だけ出す人が、なぜか残る

完璧に振る舞った日ほど、次が来ない。これ、リサーチでも同じ声が何回か出た。

仕事もできて話も回して見た目も整ってる。なのに相手の感想が、すごい人でしたね、で終わる。すごい人は、友達には昇格しない。

有能な人がちょっとやらかすと好感度が上がる現象があって、プラットフォール効果と呼ばれてる。地図アプリを開いたまま逆方向に歩き出したとか、辛いのが苦手なのに強がって水をがぶ飲みしたとか。そのレベルでいい。

ダサいところを一個だけ落とす。全部さらけ出すと重いから、ほんとに一個ね。相手が笑える種類のやつを選ぶのがコツ(笑)

2回目に誘われない人がやっていること

別れ際の十秒がほぼ全部を決めてる

人は時間の平均じゃなく、いちばん盛り上がった瞬間と終わり方で全体を採点する。ピークエンドの法則ってやつね。

三十人リサーチで、断トツに多かった敗因がここ。

駅の改札前でモゴモゴして、じゃあ、また、みたいに消える。相手の中では楽しかった記憶が最後の気まずさで上書きされる。一週間後にはもう、まあいいか、になってる。

逆パターンも聞いた。ヘアメイクの女性が言うには、改札で振り返って一言だけ置いていった人がいちばん頭に残ったらしい。今日この話できてよかった、と。それだけ。

十秒だよ。三時間の食事より重い!

しかも金もセンスも要らない。立ち止まる、目を見る、一言置く。それだけで最後の記憶が塗り替わる。

コスパがおかしいんだよなあ、ここ。

全部話しきると、次に会う理由が消える

初回で人生を語り尽くす人、けっこういる。

家族構成、元恋人、仕事の悩み、将来の目標。相手は情報でお腹いっぱいになる。で、次に会っても新しく開くページがない。

未完のものが記憶に残りやすい現象、ツァイガルニク効果と呼ばれてる。話を途中で止めた人のほうが、翌日ふっと思い出される。

出し惜しみとは違うんだよ。話題を一個、意図的に置いていく感じ。あの映画の話は長くなるからまた今度、で切る。それが次の口実になる。

楽しかったのに続かない、が起きるとき

会話が盛り上がったかどうかと、また会いたいかどうかは別軸で動く。

盛り上がりは笑いの量で作れる。会いたいは、その人といたときの自分の状態で決まる。

笑わせてくれたけど、自分が一言も深いことを言えなかった。この夜、相手の中では及第点にならない。ここを勘違いすると、面白い話を仕入れる方向に走って、また外す。

愚痴と悪口を持ち込むと、静かに切られる

これはリサーチの中でも、言いにくそうに出てきた話だった。

前の職場の上司がどれだけひどかったか、二十分。前の恋人がどれだけ最低だったか、十分。聞いてるほうは頷くしかない。その場では会話が回ってるように見える。

帰り道で相手が思うのは、ああ自分もいつか同じ言われ方をするんだな、だって。

否定の話をする人といると、自分の中の粗が気になりだす。一緒にいるときの自分を好きになれない。だから会いたくならない。逆算するとつながってるでしょ。

大変だった話をするなら、それを今どう扱ってるかまでセットにする。そこまで行くと、愚痴じゃなく人柄の話になるからさ。

一緒にいて楽しい人、話しやすい人がやってること

リアクションの粒が細かい

すごい、で終わる人と、そこが細かくていいですね、まで刻む人。

後者は見てるのが伝わる。前者は流されたのが伝わる。同じ肯定なのに残り方が真逆になる。

撮影現場でも同じでさ。ナイスです、と言うディレクターより、今の間の取り方が良かったです、と言う人のほうが、演者の背筋が伸びる。じわっと空気が変わるのが分かる。

質問を三段階でおろしていく

事実、感情、価値観。この順で降りると相手が勝手に喋りだす。

休日なにしてるんですか、これが事実。それやってるときどんな感じなんですか、で感情。なんでそれが好きなんですか、まで行くと価値観。

三段目に到達した相手は、たいてい自分でも整理できてなかったことを言葉にする。その瞬間の気持ちよさが、あなたと話した記憶に紐づく。

いきなり三段目を撃つと尋問になるから注意ね。順番を飛ばさないこと。

一回やらかしたことがある。初対面の人に、二言目で価値観を聞いた。相手の目が一瞬泳いで、その後ずっと当たり障りのない答えしか返ってこなくなった。テーブルの下で自分の指がそわそわしてたのを覚えてる。深く行けばいいってもんじゃないわ。

機嫌が読める人には、気を遣わなくて済む

話しやすい人の条件、面白さより先に予測できることだった。

今日は機嫌がいいのか悪いのか。それを探る作業が発生する相手は、疲れる。一緒にいて楽しいと言われる人は、だいたい振れ幅が小さい。

これ、テンションを高く保てって話じゃない。低いなら低いで一定ならいい。

前に話したことを、さらっと引用する

三十人に聞いて、いちばん再現性が高そうだったのがこれ。

引き継ぎのメモみたいに覚える必要はないんだよ。相手が二回以上口にした単語を、ひとつだけ拾っておく。次に会ったとき、話の途中でぽろっと戻す。

そういえば、あの資格の勉強どうなりました?

これだけ。覚えてくれてたんだ、が相手の中でカチッと鳴る。承認としてはかなり安いのに、効きは大きい。

俺は撮影が終わるたびに、演者が二回言った言葉をスマホに一行だけ残すようにしてる。次の現場でそれを使うと、初回より会話の入りが速いよ。

今日から使える台本

動画の台本を書く要領で、そのまま使えるやつを置いておく。

会って最初の五分

天気の話をしない。今日ここに来るまでの相手の行動を拾う。

道混んでませんでした? これで相手の口が一回開く。答えが返ってきたら、その中の固有名詞をひとつ拾って返す。あそこの駅、階段えぐいですよね、とか。

固有名詞を拾える人は、聞いてる人。序盤三分でそれを証明しちゃう。

会話が止まったとき

沈黙をネタで埋めようとすると事故る。埋めるなら質問じゃなく感想。

さっきの話、まだちょっと考えてました。これでいい。相手の直前の発言に戻ると、間が持つし、聞いてた証明にもなる。

やばい何も浮かばない…ってなったとき、頭の中で直前の三十秒を巻き戻す癖をつけると楽になるよ。

別れ際の三十秒

歩きながら言わない。立ち止まって、目を見て、一言。

型はこう。相手の発言を一個引用して、それが自分に効いたことを言う。

さっきの、無理して人に合わせなくなったって話、あれ帰りながら考えると思います。

これで終わり。誘わなくていい。誘い文句を焦って足すと、さっきまでの空気が薄まるから。

翌日のメッセージ

昨日はありがとうございました、から始めない。全員が送るから埋もれる。

相手が話した内容の続きから入る。例のあの店、調べたら定休日が水曜でした、みたいに。会話が終わってないことが伝わる。

次の誘いはこのメッセージに乗せない。二往復してから出す。ここ、急ぐと一気に軽くなるんだよなあ。

二回目を誘う一文

今度ごはん行きましょう、は誘いになってない。日付がないと予定にならないから。

会話の中で相手が反応した固有名詞を、そのまま誘い文句に変える。前に話してた台湾料理の店、来週の火曜か木曜どうですか。これで日付と理由が同時に立つ。

断られたときの逃げ道も残しておく。都合悪ければ再来週でも大丈夫です、と一行足すだけで相手の肩の力が抜ける。

粘らないこと。二回誘って反応が薄いなら引く。追われる側に回ろうとして駆け引きを始めると、だいたい自滅するっしょ。

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