好きな人の視線に気づかないふりする心理、男女でこんなに違った

「ねえ、聞いてよ」

動画のネタ出しをしてた深夜、友達のさやかがLINE通話でいきなり切り出してきた。声のトーンが、いつもよりワントーン高い。画面の向こうでソワソワしてるのが、声だけでも伝わってくる。

職場の先輩と廊下で目が合った瞬間、反射的にスマホの画面に目を落としたらしい。別に見るものなんてなかったのに。

短編動画のネタを探してると、この手の話が集まってくる。恋バナの企画会議は、下手なカウンセリングより本音が出るんだよね。好きな人からの視線に、気づかないふりをしてしまう瞬間の話は聞けば聞くほど、単純な照れ隠しだけじゃないことがわかってくる。

目次

目を逸らす理由は照れだけじゃない

期待してから裏切られるのが怖い

一番大きいのはこれだと思う。

好かれてるかもと期待した後に、実は全然そんなことなかったとわかったときのダメージ。これがとにかく大きい。だったら最初から気づかなかったことにしておけば、傷つく可能性そのものがなくなる。

恋愛に慣れてない人だけの話じゃない。むしろ過去に一度でも派手に勘違いして痛い目を見た経験がある人ほど、この防御反応が強く出る。さやかも前に似たようなことがあったらしくて、もう勝手に期待して転ばないって決めてるんだと。一度でも転ぶと、次はガードが上がる。人間ってそういうふうにできてるんだと思う。

期待するって、実は結構リスクの高い行為。当たれば舞い上がるけど、外れたときの落差がえぐい。だったら最初から賭けないほうが楽、みたいな計算が無意識に働いてるんだと思う。

自分に自信が持てないパターン

視線に気づいてるのに、心のどこかでブレーキがかかる人もいる。自分に限ってそんなわけないという、あの感覚。

謙虚とかそういう話じゃない。単純に自分を過小評価するクセがついてるだけのことが多い。見られてるかもと思うより先に、見間違いだろうという結論を勝手に出してしまう。

これ、周りから見たら十分魅力的な人でも起きる。自己評価と他己評価がズレてるだけのケース、実はかなり多い。さやかも周りからは可愛い可愛い言われてるはずなのに、本人の中では全然違う採点基準を使ってた。こういう人ほど、他人の恋愛相談には的確なアドバイスができたりする。自分のことになると、途端に見えなくなるだけ。

外したときの気まずさが先に浮かぶ

これ、地味に強い。

もし自分から動いて、実は何とも思われてなかったとなったときの気まずさ。周りに知られたときの恥ずかしさ。想像しただけで、動けなくなる人は結構多い。

さやかは「もし違ったら一生黒歴史じゃん」って真顔で言ってた。わかりみが深すぎる。

失敗そのものより、失敗を人に見られることのほうが怖い。この感覚、恋愛に限った話じゃない気がする。プレゼンで手を挙げるかどうか一瞬迷う、あの感覚に近い。SNS世代は特にこれが強く出る。失敗の証拠が残る前提で、みんな生きてるから。

今の関係が変わるのが怖い

もう一つ、地味に見落とされがちなのがこれ。

あいまいだけど悪くない、今の距離感。それを壊したくないという気持ち。白黒つけてしまったら、この気楽な関係にはもう戻れない。だから、あえて気づかないままにしておく。

職場の先輩後輩とか、サークルの仲間とか、肩書きのある関係性ほどこの心理が強くなる。壊れたときに戻る場所がなくなるから。

この4つ、単独で起きることもあれば、絡み合って起きることもある。さやかのケースは、たぶん一番目と三番目が同時に来てた気がする。

実はこれ、さやか一人の話じゃない。動画のリサーチで会う人会う人に同じ話を振ってみると、大体このどれかに当てはまる。むしろ全部当てはまるって人のほうが多いくらいだった。

男が気づかないふりをする理由は、女性とはちょっと違う

動画の企画で、今度は男友達のケンにも話を聞いてみた。

女性側の話とはニュアンスがだいぶ違って、これが意外と面白い。同じ行動なのに、頭の中で起きてることは結構違う。

かっこ悪いところを見せたくない

ケンいわく、照れてるのがバレるのが一番嫌なんだと。

顔が赤くなるとか、動揺してるのが伝わるとか、そういうの絶対見せたくない。だから視線に気づいた瞬間、あえて表情を変えずにスマホを見たり、資料に目を落としたりする。

平静を装うための行動が、結果的に気づかないふりに見えてるだけ。男性にはこのパターン、結構多い印象。ケンいわく、動揺してる姿を見られるくらいなら、無表情でいるほうがまだマシなんだと。

失敗するリスクを先に消しておきたい

あとケンが言ってたのが、告白して振られるくらいなら、最初から何もなかったことにしておきたいという考え方。

視線に気づいて、もしそれが勘違いだったら。そう考えると、気づかないふりをしておくほうが安全に思えてしまうらしい。女性の一番目の理由とほぼ同じ構造なんだけど、男性の場合はプライドの要素がもうちょっと強めに絡んでくる印象だった。振られる姿を誰にも見せたくない、という一点にすべてが集約されてる感じ。

実は誰よりも観察してる

ケンが最後にぽつりと言ってたのが、たぶん一番の本音。

気づかないふりをしてる間も、視界の端では相手をずっと追ってるらしい。会話には入らないのに、誰と話してるか、どんな表情してるかは全部把握してる。守ってるつもりの平静さの下で、実は一番熱心な観察者になってる。

職場だとこの観察、さらに巧妙になるらしい。会議中はパソコンの画面を見てるふりして、実は反射でこっちの様子を確認してたり。スマホを見てる時間の半分は、画面に何も映ってないなんてこともあるんだと。バレたら一発アウトだから、みんな必死。

え、それもう気づかないふりになってなくない?って思わずツッコんだ(笑)。この矛盾、聞いてて笑えたし、同時にちょっと切なくもあった。

女性の気づかないふりには噂への警戒がある

好意がバレると噂になる恐怖

同僚に気づかれたら、あっという間に広まる。休憩室で誰かに話されて、本人の耳に入る前に社内に知れ渡る…そんな展開を想像しただけで、背中がスーッと冷たくなるらしい。

さやかの職場は特に人数が少なくて、下手に動くと次の日には全員が知ってる状態になるんだと。だから視線を感じても、意識的にスルーする選択を取る。恋愛感情より先に、社会人としての立ち回りが働いてしまうらしい。

好きな人の前だと逆に素っ気なくなる

それと、これは本当に多くの女性が経験してると思う。

好きな人の前だと、普段通りに振る舞おうとすればするほど不自然になる。話しかけられても短い返事しか返せなかったり、目を合わせられなかったり。周りから見たら、そっけない態度に見えてるはず。

さやかも「素っ気なくしてるつもりないのに、後から冷たかったかなって反省する」って言ってた。

余裕がない自分を見せたくない

さやかがぽつっと言ってたのが、必死な自分を見られたくないという感覚。

視線に反応して口角が勝手に上がってしまったら、それだけで必死さが伝わってしまう。余裕のある女でいたいのに、視線一つで崩れる自分が情けなくなる。

だから先に、興味ないふりで武装しておく。これ、プライドっていうより自己防衛の一種なんだと思う。SNSで気丈に振る舞ってる子ほど、裏でこういう葛藤を抱えてたりする。

男女で理由の重みづけは違う。でも根っこにあるのは同じで、自分の気持ちがバレることへの恐れと、それによって今の状況が変わることへの不安。

面白いのは、さやかとケンの話を並べてみると、二人とも似たようなタイミングで同じように目を逸らしてる可能性があるってこと。気づかないふりをしてる者同士が、お互いに気づかないふりをし合ってる。想像すると、ちょっとコントみたいだ。どっちかが先に0.5秒だけ我慢すれば、それだけで均衡が崩れるのに。

気づかないふりを続けた先にあるもの

ここでちょっと立ち止まりたい。

さやかの話、実はまだ続きがあって。その先輩、しばらくしたら視線を送ってくること自体がなくなったらしい。

気づかないふりを続けると、相手はどう受け取るか。単純に興味ないんだなと解釈される可能性が高くなる。何度もサインを送って、それでも反応がなければ、脈なしだと判断して離れていく。

さやかの先輩も、最初の数ヶ月は明らかに視線を送ってきてたらしい。それが徐々に減って、今はもうほとんど目も合わない。タイミングを逃すって、こういうことなんだと思う。視線は、送り続けてもらえる保証なんてどこにもない。

責めてるわけじゃない。ただの現象として起きること。だからこそ、気づかないふりが悪いんじゃなくて、続けた場合に何が起きるかだけは知っておいたほうがいい。

結局、さやかの先輩がどうなったかは、まだわからない。今、次の一手を試してる最中だから。

ちなみに、動画のリサーチで聞いた別の子は逆のパターンだった。目が合った瞬間、思い切って軽く会釈してみたら、相手も慌てて会釈を返してきたらしい。そこから初めてLINEを交換して、今も続いてる。0.5秒の違いだけで、結果はこんなに変わるんだ。

今日からできる小さな一歩

さやかにもケンにも共通して伝えたのがこれ。

いきなり告白しろとか、そんな無茶な話じゃない。視線が合った瞬間の、たった0.5秒をどう変えるかだけの話。

シーン1。視線が合う。今まで即座に目を逸らしてたところを、コンマ2秒だけ待つ。逸らすタイミングを自分でコントロールする感覚をつかむところから始まる。

シーン2。逸らす直前に、口角だけ軽く上げる。がっつり笑わなくていい。それだけで十分伝わる。

シーン3。目が合った後、会話の糸口があれば一言だけ乗っかる。今日暑いですね、程度の内容でいい。中身より、反応したという事実のほうが伝わる。

シーン4。一日の終わりに、今日は何秒待てたかを振り返る。うまくいかなくてもいい。昨日より0.1秒でも変わっていれば、それで十分。

この4つのシーン、最初に挙げた期待への怖さとか気まずさへの先回りとか、そこに直接効いてくる。感情を変えようとしなくていい。行動の順番だけ変えれば、あとは勝手についてくる。

さやかはこの通りにやってみて、次に目が合ったとき、無理せず微笑み返してみたらしい。相手の頬がじわっと緩むのが見えて、ちょっとだけ心臓に悪かったと笑ってた。よかったじゃん、それ!

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