友達のサキが、また同じ話をしてた。付き合った相手に、気づけば財布みたいに扱われてたって。デート代はいつも自分持ち。相手は今月ピンチでさ、を毎回くり返す。それでも笑ってお金を出しちゃうらしい。
ショート動画のネタ探しで、いろんな子に恋愛の話を聞いてるとこの手のエピソード、びっくりするくらい集まるのよ。聞いてるうちに、共通点がひとつ浮かんできた。損してる子ほど、育ちがいい。そして、やたら純粋。この掛け合わせが、恋愛だと相当やっかいなんだよね。
育ちがいい人が、恋愛でいいカモにされやすい
育ちがいいって、家柄でもお金でもないんだよ
育ちがいいって聞くと、お嬢様とか、実家が太いとか、そういう画を思い浮かべがち。でも実際に、育ちがいいねって言われる子たちを見てると、お金の匂いは関係なかった。
共通してたのは、人を疑わずに大人になったこと。何かしてもらったら、ちゃんとありがとうが出てくること。見返りを計算しないで、目の前の相手に優しくできること。これ、家にいくら貯金があるかとは、まるで別の話でしょ。まっすぐ愛情を注がれて、失敗しても見捨てられなかった。その積み重ねが、人を信じる土台になってる。お金じゃなくて、安心の中で育ったかどうか。そこなの。
動画の企画で話を聞いた子に、忘れられない子がいた。実家はぜんぜん裕福じゃない。むしろ苦労した側。なのに所作がやわらかくて、人の悪口を一切こぼさない。なんでそんなに穏やかなの?って聞いたら、こう返ってきた。うちは貧乏だったけど、親がとにかく人を大事にする家だった、って。あぁ、育ちの良さって、これかお金の量じゃない。愛情の質だったんだ。
育ちの良さは、小さい仕草にこぼれる
言葉より先に、所作に出るんだよね。お店の人にも、ふつうにありがとうが言える。食べ方が静かで、一緒にいると肩の力が抜ける。相手のランクで態度が変わらない。人が見てない場面でも、こっそりズルをしたりしない。
派手さはゼロ。でも、この細かいところに、育ってきた家の空気がにじむの。恋愛でも、この安心感に惹かれる人は多い。ただね、その優しさが全方位すぎると、悪い人まで寄ってきちゃう。そこが落とし穴なんだよなぁ。
その育ちが、恋愛だと純粋さになって出る
人を信じて育った子は、恋人のことも当たり前に信じる。嘘をつかれる想定が、そもそも頭にない。連絡が来ないと、浮気を疑うより先に、体調でも崩したかなって心配が来る。あの人、ちゃんとご飯食べてるかな…
自分が裏切らないから、相手も裏切るわけないと思ってる。この発想、ほんとに尊い。尊いんだけど、恋愛だと足をすくわれるんだよなぁ。
なんで純粋な人は、恋愛で消耗するのか
尽くしすぎて、いつのまにか当たり前になる
好きな人には、全部あげたくなっちゃう。時間もお金も、気持ちも、ぜんぶ。最初はそれで喜ばれる。ありがとうも、ちゃんと返ってくる。
でもね、人って慣れる生き物なの。毎回してもらえると、それが基準になる。昨日までの感謝が、今日には当然に変わってる。やってもらえないと、逆に不機嫌になる始末。気づいたら、立場がまるっと逆転してた。なんてこと、ザラにある。
サキとは別の子の話。彼の分の朝ごはんを、毎朝作ってたって。ある日ちょっと寝坊して作れなかったら、なんで今日ないの、って真顔で聞かれたらしい。胃のあたりが、スッと冷たくなったって言ってた。(え。感謝されてたんじゃなくて、いつのまにか義務になってた?)やさしさって、続けると、当然の景色に変わるのが怖いところ。
悪意に気づくのが、ワンテンポ遅れる
純粋な子は、人の裏を読まない。だから、まわりから見て明らかに怪しい相手でも、いい方に解釈しちゃう。お金貸してって言われたら、なんか事情があるんだろうなって、あっさり貸す。返ってこなくても、忘れてるだけかもって、律儀に待つ。
それ利用されてるよ?っていう場面でも、本人はニコニコしてる。で、あとから全部つながって、胸がズキッとくる。(泣)悪意を想定に入れてないから、そもそも防ぎようがないんだ。
別れ話でも、なぜか自分を責める
うまくいかなくなったとき。ふつうは、相手のこういうとこが無理だった、ってなるじゃん。純粋な子は真逆をいく。私がもっとこうしてれば、で頭がいっぱいになる。
相手が浮気してたケースでさえ、私に魅力がなかったのかも、とか言い出す。はぁ…そこまで背負い込まなくていいのに。自分を責める回路が、最初から標準装備されてる感じ。
察してほしいを、言葉にできない
育ちのいい子って、わがままを言うのが下手。迷惑かけちゃ悪い、が先に立つ。だから、してほしいことがあっても、口に出さない。察してもらうのを、じっと待つ。
でも相手はエスパーじゃないからさ、気づかない。気づかれないと、また我慢すればいっか、で飲み込む。この繰り返しが、じわじわ効いてくる。不満を出せない関係は、片方だけがすり減っていくんだよ。
でも、純粋さを捨てるのは違うくない?
疑い深い人が幸せかっていうと、そうでもない
じゃあ、これから人を疑って生きればいいのか。恋人の一挙一動を監視して、裏を読んで、傷つく前に先に武装して。それで心が満たされるなら、まあいいと思う。
でも、そっち側の子だって、別の地獄で暮らしてる。相手を信じられないのって、それはそれで疲れる。四六時中スマホをのぞいて、既読がつく時間で機嫌が上下する。頭の中がぐるぐるして、ちっとも休まらない。人を信じられる強さって、じつはとんでもない才能なの。それをまるごと捨てるのは、もったいなさすぎ。
育ちの良さは、ちゃんと武器に化ける
純粋さがドンピシャで刺さる相手も、ちゃんといる。駆け引きに疲れきった人からしたら、まっすぐな愛情って、めちゃくちゃ効くの。この人といると、肩の力が抜けて息ができる。そう感じてもらえたら、それだけでもう強い。
だから、悪いのは純粋さそのものじゃない。誰に、どの順番で、どれだけ差し出すか。そこがぜんぶノーガードなことが、しんどさの正体だったりする。
純粋さを守ったまま、疲れないための台本
ここからは、今日から使えるやつ。性格を変える話じゃないよ。渡し方の順番を、ちょっといじるだけ。
尽くす前に、一回だけ相手の出方を見る
全力で尽くすの、いったんストップ。その前に、小さいテストをひとつ挟む。自分が何かしてあげたとき、相手がどう返してくるかを、静かに観察する。
ありがとうが自然に出てくるか。そのあと、向こうも自分のために何か動いてくれるか。一方通行が三回続いたら、そこ黄色信号だと思っていい。好きだから尽くす、の前に、尽くしてもいい相手かを見てから動く。順番をひっくり返すだけで、すり減る量がガクッと変わる。
自己開示は、小出しでいい
純粋な子ほど、まだ距離が近くない段階で全部さらけ出しがち。過去の恋愛も、家庭のごたごたも、コンプレックスも、洗いざらい。誠実さの表れなんだけどね。早すぎると、相手に主導権を渡しちゃう。
弱みを全部握られた状態って、地味にコントロールされやすいの。出す情報は、相手が同じくらい開いてくれた分だけ。話すね、その代わりあなたのことも聞かせて、くらいの温度でちょうどいい。キャッチボールの速さを、相手に合わせにいく。これだけで、ずっと対等でいられる。
危ないサインは、難しく考えなくていい
見極めって身構えるけど、意外とシンプルでいける。やたらお金の話が出てくる相手は、まず心に付箋を貼っておく。会うのがいつも向こうの都合ばっかり、っていうのも引っかけどころ。あと、こっちの友達や家族に会いたがらない。これ、地味に刺さるサインなの。
ひとつだけならセーフ。重なってきたら、いったん立ち止まる。相手を許す理由を探す前に、起きた事実だけを並べてみて。好きって気持ちは、事実をすぐ都合よく塗り替えるから。スマホのメモに書き出して、ちょっと引いて眺めると、あれ?って見えてくる。
してほしいことは、一個だけ言葉にする
取材で、こんな子もいた。ずっと尽くす専門で、恋のたびに空っぽになってた子。思いきって、してほしいことを一個だけ口にしてみたんだって。今日は迎えに来てほしいな、って。
そしたら相手、あっさり来てくれたらしい。(なんだ。言えばよかっただけなんだ)胸のつかえが、ふっと軽くなったって笑ってた。我慢を減らしたら、逆に関係がよくなる。そういうことも、ちゃんと起きるの。
罪悪感は、いったん脇に置いていい
尽くすのをやめると、最初はムズムズする。なんか冷たくしてるみたい、って落ち着かない。違うからね。それ、冷たさじゃなくて、対等ってやつ。相手を大事にするのと、自分をすり潰すのは、別物なの。両方ちゃんと大事にして、はじめてフェアな関係が立つ。自分の分の優しさを、たまには自分にも回してあげてよ。
育ちのよさも、純粋さも、直すべき欠点なんかじゃない。そのままのあなたがいい、って言ってくれる人の前で、いちばん輝くやつ。ただ、その人に出会うまでは、無防備なまま全部を差し出さなくていいだけ。信じる力は残したまま、渡す順番だけ変える。それで、消耗するだけの恋から、大切にされる恋に、少しずつ寄っていくよ。

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